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団地一括建替え裁判を振り返る
 桜上水団地の建替えに絡む「建物明渡訴訟」(建替組合は被告の土地・建物を抵当に)は、2年前の2012年10月に原告の建替え組合と1戸を除く被告側旧住民との間で和解が成立した。本裁判は、2014年夏、和解に応じなかった1戸の旧住民に対し、最高裁が上告棄却・不受理の決定を下し終わった。裁判を簡単に振り返ってみたい。

 
1.阪神淡路大地震から始まったマンション・団地の建替えの動きは、建替え要件の緩和が次第に進み、数さえそろえばできるようになった。東日本大震災、東京オリンピックは建替え・再開発をさらに大きなうねりと化している。
2.大きな敷地に建つ建蔽率や容積率の低い団地がターゲットになっている。もちろん大都会の新築需要のある地域が対象。
3.17棟、404戸のうち17戸が決議に不満で応訴しても、裁判が建築確認後にずれ込むと、賛同した住民の多くが団地を退去するので、結局、和解になってしまう。裁判が長引くことも和解の背景にある。
 裁判継続者には、一部の建替え組合員が一審判決前に損害賠償民事訴訟(継続中)を起した。この訴訟より、本裁判は、決議の有効無効でなく、被告側の権利濫用の視点から手続き面に争点がすり替わり、一審判決から全面敗訴の流れがつくられた。
4.1戸に対しては二審判決を待つことなく、建替組合組合の要請により物々しい強制執行が行われた。16戸は和解に沿い2012年5月末までに団地から退去した。ちなみに建替え決議は2009年9月半ばであった。
5.建替えは誰を利するのだろうか。国は、政策が実現し、都や区は規制緩和の代償として周辺道路等の整備が進められる。国や地方は、元住民が得る引越し・譲渡などの一時金や売却所得に課税し得る。
 さらに、臨時所得に国民保険料や介護保険料など社会保障経費の負担も増額できる。
 元住民は確定申告で大いにわずらわされ、税と社会保障費の臨時負担額に驚く。
6.10年以上建替えに関わってきたデベロッパー2社とゼネコン2社は大きな利益を分かち合うだろう。建替え後は系列の管理会社が入ってくる。
7.団地の建替えでは、一旦賛成多数で決議が可決されると、建替えに向け行政手続きはどんどん進んでいく。裁判は一旦できた建替えの流れを止めてくれない。
 
 従って、20%以下の住民の居住権や生存権が無視されてしまう建替え。そうならないようにするには、決議前に管理組合の役員構成や議決権行使者(投票人)名簿の事前開示、決議集会の運営委員の構成、投票結果の開示なども決められ、公平かつ民主的な組織や運営が確保されていることが肝心だ。この点についても法律的な規定はなく団地住人の裁量(自治)に任されている。一人ひとりの参加意識が欠かせない。建替え賛同者だけの管理組合ができないようにすることが肝要だ。

 
 規制緩和と増税の流れがつくられ、古いものがどんどん取り壊されて、風景が一変していく日本。桜上水は70年代初めに第1回世田谷界隈賞を得た、桜並木があり広い児童公園のある緑豊かな住環境の戸建て住宅気分を味わえる団地だった。今、2015年8月末完工を目指し建替え工事が進んでいる。

 
| 建替え問題を考える | 08:58 | comments(0) | - |
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